1針1針に愛を込めて。岡山市北区の親娘キルト展

岡山市北区の「さん太ギャラリー」で、「丸濱淑子・由紀子 親娘キルト展」が2026年6月9日(月)から6月13日(土)まで開催されました。
キルト作家の母・丸濱淑子さんと娘・由紀子さんによる親娘二人三脚の作品展で、岡山初展示の作品や雑誌掲載作品など見応えのある作品が会場いっぱいに並びました。
好きなことをそのままお仕事にされているお二人は、作品と同様にセンス抜群でおしゃれな雰囲気。
来場者に丁寧に作品の説明をされるその姿からも、ものづくりへの深い愛情と誇りが伝わってきました。
そのライフスタイルごと魅力的な展覧会でした。
1針1針に宿る物語。黒地の着物から赤いドールまで圧巻の展示

会場に足を踏み入れると、まず目を引いたのが黒地に大きな花のアップリケが施された着物作品です。
薔薇や椿など様々な花がふんだんに使われ、その細部に至るまで丁寧に縫い込まれた1針1針に、制作者の情熱と技術が凝縮されていました。
壁一面に広がる迫力ある展示は、見る人を圧倒する存在感でした。
続いて目を奪われたのが、赤いドレスをまとったオリジナルドール。
赤い布を贅沢に使ったキルトのドレスと髪飾り、周囲に飾られたキルト作品たちが一体となって、おとぎ話のような世界観を作り上げていました。「横浜キルトウィーク」や「キルト&ステッチショー2017」の招待作家展示作品も含まれており、国内外の大舞台で高い評価を受けてきた実力がひしひしと伝わってきました。
入口のウェルカムボードには「大好きな材料を使って、1針1針の手仕事を楽しみ、形となった作品たちです。
どうぞゆったりとした時間をお過ごしください」という親娘からのメッセージが添えられていました。
手仕事の温もりと丁寧さを大切にする二人の姿勢が、作品のすみずみにまで反映されていました。
会場全体が、二人の「好き」という気持ちで満たされているような、幸福な空気に包まれていました。
繊細な刺繍と遊び心あふれるデザイン!帯留めやポーチも見逃せない

展示作品の中でも特に細工の精緻さに唸らされたのが「アンティーク口金のポーチ」です。
黒地に色とりどりの花が刺繍された大きめのポーチと、黄色地に丸いモチーフが並ぶポーチの2点で、アンティーク調の口金が作品の格調をさらに高めていました。
ひとつの花弁を描くのにどれほどの時間と集中が必要なのかと思うと、手仕事の奥深さに改めて頭が下がります。
れ「帯留め・根付」のコーナーでは、犬の刺繍が愛らしいワインレッドの帯や、「LOVE YOU!」の文字と洗練されたレディのアップリケが施された黒い帯など、遊び心に富んだ作品が並んでいました。
伝統的なキルト技法を基軸に置きながら、現代的なセンスを自在に取り込むスタイルは、若い世代にも新鮮な驚きを与えてくれます。
どの作品も「これを作りたい」という純粋な気持ちから生またものだからこそ、見る人の心にまっすぐに届くのだと感じました。
会場を歩きながら、ふと自分の母親のことを思い出しました。
私の母は手芸が得意で、幼い頃から手づくりのお洋服やバッグに囲まれて育ちました。
市販のものとは違う、母だけの色使いやデザインが施された服を着るたびに、なんだか誇らしい気持ちになっていたことを覚えています。
おばあちゃんになった今も、孫のためにと針を持ち続けています。
「針と糸で作っているときが楽しくてたまらないの」とよく話してくれていました。
この展覧会には、まさにそんな「作ることが楽しい」というエネルギーが満ち溢れていました。
来場されていたお客様も同じように、作ることを心から楽しんでいる方々ばかり。
少女のような笑顔があちこちで見られた、温かく幸せな空間でした。
まとめ
お二人のプロフィールも圧巻です
。母・淑子さんは東京国際キルトフェスティバルのコンテスト入選多数、娘・由紀子さんは海外のキルトコンテストでも入選を重ね、招待作家として作品提供も多数。銀座のギャラリーでの「母娘展」も開催しており、キルト雑誌への掲載も数えきれないほどです。
5月にはブティック社より「キルトに咲く・花のパッチワークパターン」も発売され、由紀子さんの作品が裏表紙も飾っています。
作品はウェブショップ「ここほれわんわん」やハンドメイドマーケット「Creema」でも購入できます。
会場で「自分でも作ってみたい」と感じた方はオリジナルキットの販売も行っているので、ぜひチェックしてみてください。
1針1針に込められた愛情と技術は、作品を手にした人の日常をきっと豊かに彩ってくれるはずです。
好きなことを仕事にするお二人の世界観が、作品を通じてじわりと伝わってくる素敵な展覧会でした。
※ 2026年6月16日現在の情報です。
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