南あわじ市「フレイル外来」が介護予防の常識を変える


南あわじ市「フレイル外来」が介護予防の常識を変える

超高齢社会が急速に進行する日本において、「介護が必要になる前から」能動的に健康づくりに取り組む仕組みを整える自治体が全国的に増えています。

その中でも、兵庫県南あわじ市が推進する「フレイル外来事業」は、従来の介護予防事業ではアプローチが難しかった層にも早い段階で接点を持ち、本人の気づきと地域とのつながりを強力に後押しする、先進的な健康づくりの選択肢として今、大きな注目を集めています。

2026年6月26日に公表されたこの取り組み の内容について、詳しくご紹介します。

男性参加率48.5%。これまで「届いていなかった人」に届く仕組み

南あわじ市「フレイル外来」が介護予防の常識を変える

南あわじ市では、2040年には生産年齢人口と高齢者人口がほぼ同数となる「1対1」の時代を迎えると予測されています。これまでの介護予防事業には、健康意識が高い層や、既存のコミュニティに属している女性に参加者が偏りがちであるという構造的な課題がありました。

この「まだ届いていない層」へどのようにアプローチするか、そしてどのように健康への関心を引き出すかが、本事業の出発点です。

令和5年度の事業開始から令和7年度末までに、累計232人が受診しました。

特に注目すべきは令和7年度の受診者属性です。男性が48.5%を占めており、一般的な介護予防事業と比較して男性の参加割合が顕著に高いことが特徴として挙げられます。

年代別では70歳代が中心層ですが、60歳代から80歳代まで幅広い層に利用されており、男女問わず「健康への入口」として受け入れられていることが分かります。

フレイル外来への入口は非常に多様に設計されています。

健診結果のフィードバックやかかりつけ医による推奨、ケアマネジャーからの紹介、さらには地域の「通いの場」といった日常的な生活の接点から、スムーズに受診につながる仕組みが整えられています。

また、初診は市の助成制度により無料で受けることができ、経済的なハードルを下げることで、受診に対する心理的な抵抗感を和らげる工夫が凝らされています。

さらに、この無料化の取り組みは、普段医療機関に足を運ばない層が自らの身体機能に目を向けるための、極めて有効な動機付けとして機能しています。

単なる運動指導ではなく「その人らしい暮らし」を後押し

南あわじ市「フレイル外来」が介護予防の常識を変える

外来では、医師が体力測定や生活習慣の内容をもとに、虚弱(フレイル)の原因を医学的・多角的に確認します。

さらに、リハビリテーション専門職が筋力、歩行速度、バランス機能、口腔機能、認知機能、そして栄養状態までを総合的に評価します。

診断後は、運動指導、食事改善、口の健康管理、外出の推奨、社会参加の促進などを個人の状況に合わせて組み合わせた、オーダーメイドの個別支援へとつなげていきます。

この事業で特に重視されているのは、「本人がどのような生活を続けたいか」「何を大切にして日々を暮らしたいか」という個人の価値観を確認しながら、日々の暮らしの中で無理なく続けられる取り組みを一緒に考えるという伴走型の姿勢です。

身体機能の数値改善のみを最終目標とするのではなく、本人の意思やライフスタイルに徹底的に寄り添う支援のあり方が、従来の介護予防事業と大きく区別される点です。

令和7年度の受診者アンケートでは、「大変満足」「満足」と回答した方が全体の92.6%に達しました。

「自分の健康状態への理解が深まった」という回答も92.5%、「フレイル予防は必要だと感じている」という回答は89.7%に上っており、受診をきっかけに健康に対する意識が大きく前向きに変化していることが数値からも証明されています。具体的な行動変容として、受診後に地域の体操教室に通い始めたり、日々のウォーキングを習慣化したりする高齢者が増加しており、予防への主体性が育まれています。

南あわじ市のフレイル外来事業は、介護予防を単なる「機能改善の手段」としてではなく、高齢者が地域とつながりながら自分らしく暮らし続けるための大切な入口として位置づけています。

令和8年度からは、通院が困難な方への訪問型フレイル支援も開始される予定であり、支援の地域格差を縮小するためのさらなる一歩が踏み出されます。

「支援を受ける人を増やす」ことではなく、「誰もが支え合いの一員であり続けられるまちをつくる」

その理念が、この事業の根底に力強く流れています。

超高齢社会を迎え、持続可能な地域社会の構築を目指す全国の自治体にとって、極めて参考となる先進的なモデル事例といえるでしょう。

まとめ

南あわじ市のフレイル外来事業は、介護予防を単なる「機能改善の手段」としてではなく、高齢者が地域とつながりながら自分らしく暮らし続けるための大切な入口として位置づけています。

令和8年度からは、通院が困難な方への訪問型フレイル支援も開始される予定であり、支援の地域格差を縮小するためのさらなる一歩が踏み出されます。

また、今後は民間企業や地元のボランティア団体とも連携を深め、退職後の男性が気軽に集まれる新たな居場所づくりなど、社会参加の選択肢をさらに広げていく方針です。

「支援を受ける人を増やす」ことではなく、「誰もが支え合いの一員であり続けられるまちをつくる」

その理念が、この事業の根底に力強く流れています。

超高齢社会を迎え、持続可能な地域社会の構築を目指す全国の自治体にとって、極めて参考となる先進的なモデル事例といえるでしょう。

この取り組みが広がることで、高齢者が誇りを持って元気に暮らせる未来が確かなものへと変わっていきます。

※本記事の情報は、PR TIMESより提供されたプレスリリースを元にツキヌケ編集部が作成しています。 

画像引用: 健康寿命延伸へ「フレイル外来事業」”元気なうちから”地域とつながり、”まだ届いていない人”にも届く介護予防へ

2026年6月29日現在の情報です。

ツキヌケでは、これからも地域の情報を毎日更新していきます。最新記事や新着イベント情報は、公式LINEでも配信中です。

Shareこの記事をシェアする