備前一の名水を訪ねて。おまちアクアガーデンへ


備前一の名水を訪ねて。おまちアクアガーデンへ

 岡山市中区には「おまちアクアガーデン」という魅力的で穏やかな公園が存在しています。

この場所は、環境庁(現・環境省)が指定する「名水百選」に選出されたことで知られる「雄町の冷泉」の目と鼻の先に整備されており、誰もが利用できる便利な水くみ場を備えた憩いの公園として広く親しまれています。

この地で湧き出ているのは、雄大な旭川の清らかな伏流水です。

その歴史は大変古く、江戸時代の貞享3年(1686年)に当時の岡山藩主であった池田綱政によって整備されたことに始まります。

それ以来、岡山藩池田家の御用水として代々大切に使われ続けてきたという、歴史的価値のある伝統を秘めています。

かつて備前国で一番の名水と称えられたこのゆかりの地を実際に訪れてみると、手にペットボトルや水くみ容器を携えて熱心に水を汲みにやってくる地元の住民の姿や、県外ナンバーの車に乗って遠方から足を運んできた観光客など、絶え間なく人が訪れる様子が見受けられました。

ひっきりなしに人々がやってくるその光景からは、今なお多くの人々に愛され続けているこの場所の根強い人気ぶりがしっかりと伝わってきます。

江戸時代から続く御用水。名水百選に選ばれた歴史

備前一の名水を訪ねて。おまちアクアガーデンへ

雄町の冷泉の源泉は、岡山市内を悠々と流れる旭川の豊かな伏流水が地表へ自然に湧き出しているものであり、江戸時代の初期に藩主である池田綱政の手によって整備が行われました。

その誕生以来、岡山藩池田家の御用水として非常に重宝され、大切に守られてきた素晴らしい歴史が存在します。

その質の高さから、備前国で最も優れた名水としての称号を誇り、その名は広く知れ渡るようになりました。

昭和60年3月には、環境庁が全国各地の多種多様な湧水や清流・河川の中から厳選した「名水百選」のひとつとして、この雄町の冷泉が選ばれました。

名水百選に代表されるような全国各地のすぐれた水環境というものは、地元で暮らす人々による普段からの手入れはもちろんのこと、そこを訪れるあらゆる人の温かい心配りや環境保全への意識があってこそ、未来永劫にわたって大切に保全し継承していくことができる非常に貴重な財産であると言えます。

現在では安全管理等の観点から源泉から直接手で水を汲むことはできなくなっていますが、その代わりとしてすぐ近くに新しくきれいに整備されたのが「おまちアクアガーデン」です。

実は、歴史ある「雄町の冷泉」の源泉そのものも、このアクアガーデンから目と鼻の先の非常に近い場所にひっそりと佇むように存在しています。

地図や位置関係を確認してみると、徒歩でわずか数分程度の距離感に位置しており、公園での水汲みとあわせて一緒に巡ることができる素晴らしいロケーションとなっています。

今回はアクアガーデン内に設置された水くみ場を中心に取材を行いましたが、次回訪れる際には目と鼻の先にあるこの貴重な源泉にも実際に足を運び、その様子をあわせて皆様にお伝えしたいと考えております。

さらに公園の敷地内には、フランスの著名な物理学者であるベルナール・ジトン博士が案出したユニークな「水時計(TIME FLOW CLOCK)」が設置されています。

水圧とサイホンの原理を応用して精密に時を刻むこの不思議な装置は、向かって右側に並ぶ球列が「分」を示し、左側に並ぶ球が「時間」を分かりやすく表現しており、12時間が経過するとすべての球列が綺麗に空っぽになって再び最初からスタートする実に面白い仕組みになっています。

今回一緒にこの場所を訪れた小学1年生の子どもも、この不思議で規則的な動きを見せる水時計に大変強い興味を示しており、時間を忘れてじっとその動く様子に見入っていました。

くんだ水は煮沸してから。地元に根づく利用の知恵

備前一の名水を訪ねて。おまちアクアガーデンへ

公園内にある石碑には「雄町の冷泉」という文字とともに、清らかな水がこんこんと勢いよく湧き出る様子が繊細に刻まれており、実際の現地でも地元の方々が手際よくペットボトルへと水を汲んで持ち帰る微笑ましい日常の光景を目にすることができました。

ただし注意点として、この湧き水は汲んですぐにそのまま生水として飲むことはできません。

現地に設置されている案内板には、成分検査においてマンガン濃度が水道水質基準値を超えて検出されていることが明確に記載されており、そのままでの飲用には適していない旨が分かりやすく注意喚起されています。

地元で暮らす方に詳しいお話を聞いてみたところ、ここで汲んできた水は必ず一度しっかりと煮沸してから料理や生活に使うのが長年の習慣になっているとのことでした。

長い歴史の中でその水とともに暮らし、上手に付き合ってきた地域ならではの深い知恵と工夫が、今もなお日々の生活の中に根強く息づいていることを実感できます。

おまちアクアガーデンでは利用者の安全を守るため、毎月2回という高い頻度で厳密な水質検査が定期的に実施されており、その分析結果は岡山市の公式サイト上で誰でも確認できるよう丁寧に公開されています。

ここはあくまで誰もが快適に利用するための公共の公園であるため、営利や商用目的での大量採取や、他の利用者の迷惑となるような長時間の水くみは固く遠慮し、一人ひとりがルールとマナーをしっかりと守って利用することが強く求められています。

また、訪れる際には開園日にも十分な注意が必要となります。

毎月第1金曜日および第3金曜日、そして年末年始の期間は休園日として設定されていますので、事前にスケジュールを確認して足を運ぶのがおすすめです。

まとめ

江戸時代という遥か昔から現代に至るまで、岡山の地に暮らす人々の暮らしや文化を静かに支え続けてきた歴史ある名水と、その伝統を現代に心地よく伝える素敵な公園「おまちアクアガーデン」。

公園のすぐ目と鼻の先には、名水そのものが今も絶え間なく湧き出ている歴史的な源泉がそのまま残されており、両方をセットで訪れることによって、この土地が歩んできた深い歴史のロマンをより一層深く体感することができそうです。

この素晴らしい歴史ある水環境を大切に保護し、次の世代へとしっかりと受け継いでいくためにも、現地を訪れる際にはしっかりとマナーやルールを守りながら、かつて備前一とまで称えられた素晴らしい名水の存在感をぜひ全身で体感してみてください。

施設情報
住所〒703-8204 岡山県岡山市中区雄町305−8

2026年7月27日現在の情報です。

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